演算モデルをどうやって見つけたのか

「情がからむとっさの会話」において、多くの女性が典型的に使うのは「ことの発端から心の記憶をたどるプロセス指向文脈」。
これは「感じたこと」と「ことば」を結びつける神経信号が、全体性を把握する空間認知の信号より優先して動く傾向にあることを示していることに他ならないと考えられます。

そこで、コンピュータ上に、感情と記憶を結び付けたダイナミックデータベース(プログラム起動中に演算に関わる内部データを書き換えられるデータベース。Prologという1980年代から90年代に使われた人工知能言語で実装)を作ってみました。
多くの人が「たしかに、あるある」と感じる「典型的な女性の対話方式」が実現しました。

さて、先の「感情 ― 記憶」のダイナミックデータベースを使うと、感情をトリガーにして、すいすいと過去の関連データを出力できました。
女性の多くが、「過去のことを瑞々しく想起する」傾向が高いことを勘案するに、女性脳の演算モデルの特性として、感情をキーにして記憶を引き出す能力にも長けていると考えられます。

このようにして、女性脳の演算モデルの一機能をコンピュータ上にシミュレーションしてみて、使う人の多くが女性的であると感じ、さらに偶然にも別の女性脳的な機能を示したとき、 私は、機械が「女性の多くが呈する典型的な演算モデル」を持ったと判断し、同時にこの見解から生じる知見を、生身の女性脳にも活かしてもらえると考えました。
ちなみに、この判断は、人工知能の父と言われるアラン・チューリング博士のチューリングテスト*1に準拠しています。

*1 チューリング博士は、、「機械に実装した知識システム」と「生身の人間」の区別がつかなくなった時点で、「機械が知性を持った」と判断する、としました。その最初のテスト方法をチューリングテストと呼びます。